------  傑作映画館  ------


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レイルウェイズ
  監 督 :錦織良成、
  出 演 :中井貴一、高島礼子、本仮屋ユイカ、三浦貴大、
  ジャンル:ドラマ
  2010年  日本


注)以下、ネタバレだらけです!

【あらすじ】
 筒井肇(中井貴一)は、母が倒れたとの連絡を受け東京から故郷の島根に帰省しますが、考えた挙句、順調だった東京でのサラリーマン生活をやめ、子どもの頃の夢だった電車の運転手になるために妻(高島礼子)とは別居をし、島根に戻ります。
 島根の一畑電鉄に入社し無事に運転手になった同期に、肘の故障でプロ野球入りを諦めた宮田大吾(三浦貴大)がいました。
 それから、いろんなエピソードを交えながら話が進んでいきます。
 肇の娘・倖(本仮屋ユイカ)は大学の休みに肇の母=倖のおばあちゃん(奈良岡朋子)のお見舞いに来ますが、そこで肇の幼馴染でお見舞い帰りだった西田了(中本賢)はついおばあちゃんが余命三ヶ月である事を口走ってしまうのです。

 
【感想】
 私は実は役者としての中井貴一氏は、どんな役でも中井貴一の顔なので嫌いです。
 相性が悪いんでしょうかね〜?
 でもこの映画は好きなんです。

 製作総指揮者が鉄道好きだったそうで凝ってます。
 営業運転が終了後に引っ張り出された一畑電鉄(通称バタデン)のデハニは80年前に作られ木製だそうです。
 鉄道が好きな人にはたまらないシーンがあるのでしょう。
 私もかつては鉄道旅行が好きで、大好きな山陰線なんて鈍行で端から端まで2回乗ってます。 むかしは長距離の鈍行が沢山あったな〜。
 なので、レールがたくさん映るこの映画が好きなのかも知れません。

 少しは映画の事も書きましょう。
 背景の山陰の風景が美しくどこかのんびりしています。
 かと言って、山陰の生活自体は映らず舞台はバタデン、線路の見える自宅、おばあちゃんの病院が主ですが、それで散漫さを防いでいるのでしょう。 
 バタデンがたっぷり映れば充分なのかも。
 病院の廊下で中本賢が本仮屋ユイカにおばあちゃんの余命を言ってしまった時、表情だけで口に出さない二人の演技「えっ、言っちゃいけなかったの!」「それ、何のこと?!」みたいなのがとても緊張感があっていいです!



左がデハニ!

 母の最期を看取る事と、忘れていた子供の時の夢をかなえる事の両方を出来た幸せな男の話です。 
 うらやましいですね〜!
 

 

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